スマヲタのぼやき

 うわ、5ヶ月ぶり?このネタ書いておかないとな、と思うことは何度かあったんだけどな。一寸の光陰軽んずべからず。
 そして温めておいたネタではないのだけど、どうしても吐き出したいことがあって、他に思い当たらなかったのでここに書いてみる。
 書き終わってみたら、すっごく無駄に超長文になってしまったので、畳みます。


 昨夜たまたまチャンネルを合わせたプレミアAに木村が出ていた。月9の番宣だなと見るともなく見ていたのだけど、だんだん訳の分からない不快感でいっぱいになってきた。だったらチャンネルを替えれば、またはテレビのスイッチを切ってしまえば済むことなのだが、ここ数年木村に感じている不快感は一体なんなんだろう、とスマヲタの端くれとして見極めなくてはいけないという勝手な責任感のようなものに駆られて見続けてみた。
 番組は安藤優子滝川クリステル両キャスターが木村を囲み、番組について木村自身について尋ねていくという形式で進んでいた。録画していた訳ではなく、流れで見ていただけなので詳しくは覚えていないのだが、繰り出される質問や木村に対する余りの持ち上げっぷり、その腫れ物に触るような過剰なまでの気の遣いようが、気持ち悪い程だったことだけは印象に残った。
 今までも木村拓哉に対するこのような態度は見られていたが、度を超えているというのか、ちょっと見過ごしているうちにこんな有様になってしまったのかと苦々しいような呆れるような状態だった。
 例えば単に「総理大臣役」ということについての質問なのに、えらく仰々しく恰も木村自身が本当に政界に進出するかのような調子でその意気込みを、しかもものすごく申し訳なさそうに尋ねる安藤。そして勿体ぶって薄っぺらな言葉を並べていく木村。考えてみたら、プロモーションのために来ているのは木村の方なのだから、厳密にはフジテレビの人間ではない安藤、滝川両人がそこまで木村に低姿勢にならなくてもいいはずなのに、受ける木村もこの状態に疑問を持つ訳でもなく、不機嫌とも取れる表情に終始していた。


 スマヲタと言いつつ、木村についてはスルーするようになったのはいつ頃からだっただろう。
 この態度がどう視聴者に伝わるんだろう、本当のところ木村自身はこの状態をどう思っているんだろう、そうひやひやする時期はとっくに過ぎてしまった。いつの間に木村は、いや、木村一人の話ではないと思う、スマはこんな得体の知れない、据わりの悪い御輿に乗せられてしまったんだろう。
 SMAPは希代のアイドルグループだ。それは疑うべうもない。リリースする曲のヒットは約束され、メンバーの主演するドラマ、映画は話題に上りある程度の実績も残す、一人一人の活躍もさることながら、5人全員揃った時の大物感、スペシャルな感じ、なんだか豪華っぽい有り難みは、ジャニーズ事務所の他グループはもちろんのこと、芸能界全体を見渡しても群を抜いている。これは事実なのだけれど。


 スマスマが始まる前後の「ものすごい風が吹いてる!」というわくわく感は今でも覚えている。
 それまでジャニーズのアイドル好きは、小学校高学年辺りの一過性のものならともかく、いつまでも本気出していると「物好き」という冷ややかな目で見られていた。ヒットチャートでも本流ではない「アイドル」のファンは、大所帯ではあるが日陰の身だったのに、この頃から「SMAPのコンサート行くんだ」というと「あー、はいはい」ではなく「いいな〜、SMAPなら私も行ってみたい!」と言われるようになり、ちょっと得意になったのは確か。
 あちこちでスマが持てはやされることに、ありがちな「私たちが育てた」的な手柄のような感覚を享受していた。あの時確かにスマファン達は鬨を上げていた。
 だけど、程なくスマはファンの手から離れた。と感じる。一部のファン向けではなくファンの望む以上のもの、高望みとしても想定すらしていなかったことが、史上初、史上最大のイベントとして次々企画され、成功を収め、彼らの実績となった。最初のうちはファンもそれを喜び、その恩恵を甘受していたと思う。しかし回を重ねる毎にその規模は歯止めが利かないものになっていった。
 度を過ぎたことにより、いつの間にか「思ってもない僥倖」から、そんなことまでしなくてもいいよ、という「余計なこと」になってくる。何事も過ぎたるは及ばざるが如し。つまりぐだぐだの蛇足進行が続くことになる。
 これが一番分かり易いのはスマスマにおける海外ミュージシャン。最初は「あの○○がスマスマに!」「スマもここまで来たんだ…」という感慨にも似た感動だったのが、日常化されていくことにより新鮮味が薄れ、一流のゲスト達をもてなすホスト役としての力量が不足した醜態だけが晒されるような事態に陥って来ている。


 こうして、スマという存在が大きくなればなるほど、始めは我が事のように喜び合っていたはずのファンは完全に蚊帳の外にはじき出されてしまった。はっきりとした輪郭のあるファンの要望ではなく、掴み所のない世間一般の需要らしきもの(実のところ業界の思惑)に牽引される形で事が進んでいくので、利害と思惑が一致したスマのインフレスパイラルが絡み合い糾われそして気づいたらこんなことになっていた。


 で、冒頭の気持ち悪さの正体は、このスパイラルを成す業界とスマの癒着の構図が、視聴者の前に具現化された様子を見せられているという不快感なのではないかと思う。接待とも太鼓持ともつかぬ、本来客には伏せておけば良いものなのに、こんな茶番を平気で晒されるまでになってしまったことに、良くも悪くもスマがモンスターグループになってしまった事実を改めて思い知らされた。
 しばらく木村をスルーしていたばっかりに、久しぶりに正面から見た彼(とその周辺)に愕然としてしまった。
 とは言え、そのプロセスの中で、スマファンとしてたくさんの恩恵と引き換えにいろいろなことを見過ごしてしまった責任みたいなものも、大仰だけれど感じている。
 だから、どんなに気持ち悪さを感じてもそれも含めてこれからもスマを見届けて行かなくてはいけない、と思う。
 このスパイラルもそろそろ終焉に差し掛かっている。オーラと呼ばれた鍍金がすっかり剥がれ落ちた後の、実寸大のスマ達はファンの元に戻ってくるか、また違った姿に変容していくのか、それは分からないけれどともかく、見届けなくてはいけない。


<お断り>

  • 一、偉そうにスマファンの思いを代弁するような言い方をしてしまっておりますが、偏見とごく勝手な主観に基づくものであり、スマファンの総意でないことは申し上げるまでもないことでございます。枝葉末節について突っこみどころ満載ではあるかと思いますが、ここで一括してお詫び申し上げます。
  • 一、これを書く切っ掛けはプレミアAにおける木村でしたが、もちろん木村だけについて言っているのではありません。木村がスマのモンスター性を一番分かり易く体現していると思いますが、個々のメンバー毎に言及するなら、それぞれの立ち位置、仕事の仕方によってそれぞれのモンスター性を有するものだと思います。


 昨年辺りからNEWS(とりわけ錦戸くん)に肩入れしているのだけど、オリコンのランキング等を見て「お、頑張ってるな」と思ってはみるものの、それらに一喜一憂するよりも一歩引いたところで、そんなに頑張らなくてもいいからさ、と思っている。スマみたいになったらつまらないもんな、と思ってしまう。やっぱりジャニヲタは大所帯な日陰の身でいい。
 …というのも勝手な思いなんだろうけど。