齋藤孝のおすすめブックナビ絶対感動本50

齋藤孝のおすすめブックナビ 絶対感動本50

齋藤孝のおすすめブックナビ 絶対感動本50

 書評書くのって難しいんだろうな。なるべく「齋藤孝」を主張しすぎないよう抑制しつつ、でも「齋藤孝の」と銘打ってあるからには、なにかしら「齋藤孝」色を織り込まなければならなくて。ネタばれになってはいけないけれど、ある程度かいつまんで紹介しなければいけなくて。その辺りの匙加減が難しい。


 最初のうちは、書き手と読み手の距離感が取りにくいスタイルだと思いながら読んでいたけど、慣れて来ると、抑えた表現の中にも齋藤孝ならではのポイントが見えるようになる。そしてその頃にさしかかるのが「身体・心理・哲学」の項で、この辺りは本のラインナップも内容も共に齋藤孝ワールドなんだよな。


 書評を通じて、バックボーンに脈々と流れる著者の人となりを感じるということがあるんだな、ということを感じさせる本でありました。
 さらに、以前、セックスについて語ることが少ないと書いたけれど、ここに挙げられている本や漫画の中にはかなりエロティックな内容の作品も少なくなく、作品紹介との体裁で、齋藤自身のセックス観が語られるというか、仮託されるというのはファンとしては興味深い形。


 ナビゲーターの役に徹しながらも、自己主張もしっかりしているところが、「齋藤孝の」のタイトルに偽りなし!のおすすめブックナビ。
 テレビや著書の中で触れていた本も数多く紹介されていて、「ああ、あの時の、あの本」というのももう一つの楽しみで、齋藤孝のあこがれにあこがれる水先案内書。


 ちなみに掲出50冊のうち読んだことがあるのは、たった5冊でした。まだ道は遠い。