スラムダンクな友情論
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/10/10
- メディア: 文庫
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「スラムダンク」の第一話はジャンプ連載時に読んでまして。面白そうなのが始まったなとか流川楓かっこいいとか思った記憶はあるけど、本当にイントロのイントロくらいしか覚えがない。
今、調べてみたら連載開始が1990年、弟と順番に隔週で買っていたジャンプをだんだん読まなくなって「お姉ちゃん買わないよ、もう読まないから」との卒業宣言で、弟の経済を一時危機的状況に追いやったあの頃のことのようです。
今更、全31巻読み通すには、2、3日漫画喫茶に缶詰にしてもらうしかないけれど、もし今の私にそんなココロの休日が頂けるなら、まずは「ガラスの仮面」*1既刊読破に走ってしまいそうだ。
いや、「スラムダンク」だってその気になれば、きっとはまると思うのだけど。ジャンプのお家芸「努力と友情」の二本柱なら、「キャプテン翼」でがっつり洗礼受けてるので。
けど、読んでないわけだから、となんとなく避けていた本書。「スラムダンク」をベースに置きつつ、「稲中」や「ピンポン」などの漫画はもちろん、小林秀雄や福沢諭吉まで、友情にまつわるありとあらゆるテキストを引用しています。ので、別に「スラムダンク」知らないからって憶することはない。
それでもやっぱり、漫画のエピソードを文章で説明しようとすると、読んでない人に対しては限界があり、ちょっと苦しい部分もちらほら。
そして、中高生向けに書かれた本書の大きな特徴である、総ルビ。文庫サイズなだけに余計なのだろうけど、これも最初はかなり厄介。
新聞の総ルビ復活論には、賛成のつもりだったけど、これ、大人には苦痛かもなぁ、と思いながら読み進めていたら、だいたい3分の1程読んだ辺りから気にならなくなってきた。慣れなんだけどね、書店でぱらぱらめくりながら、本を物色する大人へのアピール度は低いかも。
そして「スラムダンク」目的で読んだ中高生(大人でもいいけど)には拍子抜けかも知れません。と、「スラムダンク」自体読んでない私が言っちゃいけないんですかね。「いいこと言うぜ!分かってるじゃねえか、齋藤先生よぉ」と感涙にむせぶ全国のバスケットマン達の支持を得ているかも知れませんね。
蛇足。
齋藤泣きのツボ修正(もしくは追加)です。「ロングウェイ・ホーム」という映画(孤児のきょうだいが生き抜いていく感動的な物語)で「思いっきり泣いた」とのことでございます。