「できる人」の極意!

「できる人」の極意!

「できる人」の極意!

 表紙に四股を踏みながら微笑む齋藤様、そして

能力向上に効果絶大!
齋藤メソッドの決定版!

ビジネスに効く、勉強に役立つ、生きる力がつく!
齋藤孝の主要メソッドを、この一冊に集大成!

心地いいカラダ、しなやかなココロ、クリアな脳を実現するカンタン・ノウハウ満載!

と謳っているのだけど、かなりそれだけのことある一冊。


 2003年から2005年に、主に雑誌に掲載された対談やエッセイをまとめたものなので、日々齋藤チェックを怠らないまめな人には、物足りない面もあるかも知れないけれど、私のように全ての媒体をチェックしきれない怠け者には痒いところに手が届く企画!


 著述と口述、対談がそれぞれ分かりやすくまとめられていること、対談相手のセレクトが絶妙であること等、本書の構成がかなり素晴らしいと思う要素は多々ある中で、私の一押しは、本書の章立て。


第一章 話す力・聞く力
第二章 文脈力・段取り力・発想力
第三章 友達力・恋愛力
第四章 呼吸法・シェイク運動
第五章 ビジネス・お金
第六章 子ども・教育・家族
第七章 日本語・読書・文学
第八章 スポーツ
第九章 身体感覚を磨く


 様々な分野に造詣深い、八面六臂の齋藤ワールドが抜かりなく網羅され、且つ整然とまとめられている。ここから一章抜けても、また一章加わってもバランスを欠く珠玉の9品。
 齋藤研究をするなら必ず押さえたい、齋藤孝必携。


 そして内容もその表紙、目次を裏切らない充実ぶりです。
 前に齋藤孝基本の書としたコミュニケーション力 (岩波新書)を正本とするなら、本書は例えるなら「週刊少年ジャンプ特別編集『キャプテン翼』」*1や「同『北斗の拳』」のようなファン垂涎の一冊たり得るのでは、ないか。


 よく言われる「齋藤孝はどれ読んでも同じ」が実はそうではないというのは、同じ素材からどんな料理をどんなシチュエーションで饗することができるか、という作り手の問題と、それをどう味わうかという受け手の問題が絡み合っていると思う。
 その作り手の力量が存分に感じられると思うのだけど、一方受け手の私はどうなんだ?
 ま、平たく言えばお勧めと言うことですよ。


 で、数々の対談の中から120%齋藤チルドレンの私から見たツボは2点。
 まずは五輪の身体で、齋藤様との対談を熱望したと書かれていた為末大氏との対談が所収されている点。
 さすが逆指名しただけあって、為末氏の身体感覚はめちゃくちゃ研ぎ澄まされていて、更にその感覚を明確に自覚し言語化できているので、二人の対談の絡み合う感じが読み手にも伝わってくる読み応えがあります。


 そしてもう1点も対談からなのですが、対クラタマ戦における齋藤様のお言葉。抜粋。

僕は男女間のことについて、山ほどいいたいことはあったんですけど、専門が身体論なので身体にいけばいくほど、ピーが入っちゃう(笑)。だから本では書けなかったんですが(略)

 にやりと笑った方、「にほんご日記」のご愛読ありがとうございます。半月ぶりの更新ですが、今後とも細々とよろしくご愛顧くださいませ。

*1:今日のタイトルは、これに因んでいるのだけど、分からないだろうなぁ。私は2冊とも持っておりました