子どもたちはなぜキレるのか

 子どもたちはなぜキレるのか (ちくま新書)読了。
 腰肚を機軸とする日本古来の身体文化についての本。タイトルに掲げられている「子どもたちはなぜキレるのか」を期待して読んだ人には少し拍子抜けかも知れないが、齋藤様の言動の礎になっている思想についての書なので、齋藤様ファンは押さえておきたい一冊。


 「切腹」についてはやっぱり言及されていましたね。*1
 読み終えてない時点で、内容についてあれこれ言ってるとこういう目に遭います。が、とろとろ読んでるので、その時言っておかないと忘れてしまうってことで。


 肚(はら)の概念とは少し違うかも知れないけれど、今までの半生の中で一番「腹」を意識した経験となると、やっぱり妊娠・出産。
 齋藤様の言われる腰肚の呼吸と出産時における呼吸とは別のものなのかも知れない。これは私が齋藤様の理論を正しく理解しきれていない可能性と共に、出産経験のない齋藤様には実感として分かって頂けない感覚なので、確かめようがないのだけど。


 私は呼吸法や安産体操をおざなりにしていた不良妊婦だったので、あるべき出産像ではなかったのだけど、それでも2度目の出産の時には自分なりのコツを会得できた。妊娠期間や育児はもうしんどいけれど、出産だけなら乗り切れる自信はある。


 どんどん激しくなってくる陣痛に耐えるのは、お腹、その中でも子宮を具体的にイメージした呼吸だった。子宮と痛みを自分の呼吸で包み込むように腹に空気を溜め、静かに吐き出す。これで驚くほど痛みが和らいで、静謐な精神状態を保つことが出来る。ただ闇雲に痛みに耐えていた初産の時とは全く違った。
 それをきちんと体系化して予め反復練習しておくのが、ラマーズ法などの呼吸法なんだろうけど、未産婦にとっては余りにも未知ゾーン過ぎて、マザークラスの時点では全く意味が分からないのよ。


 とにかくあの時に感じた「腹」の感覚は、単に身体のパーツの一つってだけじゃない魂の在処のような厳然としたものだった。
 と、やや観念的でうまく自分の中に消化しきれなかった「子どもたちはなぜキレるのか」を無理矢理卑近な例にはめ込んでみましたが、ここで瓢箪から駒


 齋藤様、出産本を書きましょう。たまひよでもバルーンでもどこでも良いので、今すぐ齋藤様にオファーを!
 腰肚文化、ちょっと焼き直せばまんま出産本行けます。出産経験の有無はこの際関係ありません。奥様の出産に立ち会った経験などあれば言うことないのですが、それも不問にしましょう。サラリーマン経験なしでビジネス本書ける齋藤様ですもの、大丈夫。
 タイトルは「ガツンと一発産んでみよう」或いは分かり易く「出産力」なんてどうでしょう。付録として「渾身」腹帯をつけて。いけるいける!

*1:12/13の日記参照