元日から「にほんごであそぼ」。確か昨年も元日から放送していたと記憶しています。他のわんパークがお正月休みでも(今年は「からだであそぼ」もやってましたが)正月バージョンをきっちり作るってところにスタッフの気概を感じます。


 新年最初の今日の名文は、万葉集より。

田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける(山部赤人


 直截に新年を寿ぐ歌ではないけれど、清々しい新年を飾るに相応しい歌でした。この歌は小倉百人一首にも採られていますが、そちらでは撰者の藤原定家に寄って

田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ


と改作されております。百人一首に先に触れているので、赤人オリジナルではないと知っていても「田子の浦に〜」の方がなじみ深く、今日の放送でも違和感を感じてしまいました。方言だと思わずに使っていた言葉への愛着にも似てるかも。


 オリジナルは万葉集の代表的歌風「ますらをぶり」、対して定家改作は新古今和歌集の「たをやめぶり」と評され、概して定家の改悪と言われがちですが、最初の男は忘れられないように(嘘。言ってみただけです。案外簡単に忘れます)「田子の浦に〜」の方に肩入れしてしまいます。百人一首インプリンティングから逃れられない人って案外多いんじゃないかと思うんだけど。


 「にほんごであそぼ」でオリジナルの方を採ったのは「子どもの頃から本物を」との齋藤様の主張に基づくのでしょうか。NHKスタッフは一枚岩か?
 どちらが先かはともかく、もう一つの「田子の浦」を知ったときに感じる引っ掛かりが、子どもの好奇心や向学心を刺激することに繋がりそうなので、小さいうちに触れさせたい歌ではある。


 とは言っても百人一首自体、今の子どもたちにどれほどなじみのあるものなのだろう。
 家にもないな。にほんごであそぼかるたならあるけど。だめじゃないか。

にほんごであそぼ いろはかるた

にほんごであそぼ いろはかるた


 なんて言っていたら、日本テレビの「はじめてのおつかい」に出てらっしゃるじゃないですか。齋藤様。おめでとうございます(新年の挨拶ね)。
 「バラエティには出ない」とおっしゃってませんでした?(喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな!)やられたっ。早速録画。詳細明日。