齋藤孝の勉強のチカラ!
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2005/01/20
- メディア: 単行本
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ガチャガチャポン!がギュッと凝縮されたエキスのような一冊。
「勉強」との付き合い方が、前半では総合的に、後半では各教科毎の楽しみ方として分析的に述べられています。
これ、中高生はもちろん、教育に携わる人や親の立場にもお薦めの良書です。
浪人して苦労して、勉強と真っ正面から向き合って格闘して、頑張って頑張って東大に入った人なんだなぁと、実感させられます。体得した人じゃないと、こうは言えないよなぁ。
私の従妹で、ほとんど勉強しないのに常に学年トップで、さらっと東大に現役合格した人がいるのですが、彼女は学生時代に家庭教師をしたけれど「教え方が分からない」と悩んでいました。
自分が教科書一回読んだだけで、全部理解してしまうので、どうして分からないのかが分からない。勉強の仕方も教えようがない、とのこと。
悩んで悩んで試行錯誤した人の方が、後進を育てる時の「教え力」は高いと言うことでしょう。
名選手が名コーチ、名監督に非ず、というのにも似ているかも知れません。
というわけで、齋藤様が身体を張って掴み取ったありがたい「勉強のチカラ」をたった一冊で享受できるなんて、なんて贅沢でお得なことなんでしょ。と、発想も齋藤寄りになりつつありますが、もう一つ、この本の楽しみ方は、最初にも書いたとおり「ガチャガチャポン!」のネタ元として、リンクさせながら読むことでしょうか。
ガツン!でお馴染みの齋藤節も随所に見られます。
例えば、「受験勉強で育つ『段取り力』が仕事に生きる」、「受験で得る『自己客観能力』、「歴史から自分の存在意義を知る」、「つまらない先生に出会ったら」(当該のガツン!について書いている日記にリンクしてみました)等々。
元々、ガツン!は齋藤様の著書に沿った内容が多く、あ、これはあの本に書いてあった、などと思うことがよくあります。
ガツン!を引用した後に、「出典」或いは「参考」として、著書を書き添えたりできたらいいなと思うのですが、何しろそこまで読むのが追い付いてない状態なので。
もしそういうのやってみた場合、最頻被引用書になるのが、多分、この本でしょう。
ガチャポン!ファンの方にはお薦めの一冊でございます。
ところでメンデレーエフの元素の周期表に感動した経験のない、the last 理系の私じゃ話にならないので、夫に
「元素周期表って感動する?」と聞いてみたところ、
「スペクトル係数が、本当に計算通りにぴったり一致してるのには感動した*1」そうです。
全く意味不明。私にとってはこっちの方が、よっぽど人知超えてます。
因みにに私がちょいと感動したのは、古典文法を勉強して、「仰げば尊し」の中の「今こそ別れめ」の「め」が、係助詞「こそ」の係り結びを受けた意志の助動詞「む」の已然形だと気づいた時です。
「今こそ別れ目」じゃなかったのね。
宇宙のロマンとかの壮大さには土台敵いませんが、こんなんでどうでしょ。
*1:うろ覚え。叙述に誤りあり、多分。