からだを揺さぶる英語入門

からだを揺さぶる英語入門

からだを揺さぶる英語入門


 少し前から英会話の短期レッスンに通っています。齋藤様に触発され向学心に燃えているのではなく、「託児付きだから」というその一点に尽きる動機。
 「例え内容に興味がなくても、子どもと離れて一人の時間を持つことよ!“託児付き”にはとりあえず食いつくべき!」と言う先達のありがたいお言葉に忠実に従ってみました。


 なんなんだろうなぁ、英語。
 日常の中でまず英語力の必要性に迫られることのないであろう主婦向けの講座でさえ盛況なんだもの。
 今までの人生の中で、海外旅行と仕事以外で英語しゃべらなきゃいけなかった状況は、新幹線のホームで切符の見方が分からなかったイギリス人に席を案内してあげた、たった一度きりだったのに。そりゃ海外に行ったときに英語が話せたら楽しいだろうけど。
 読めない漢字や分からない日本語に遭遇する率の方が格段に高いのに、漢字検定受ける人は少ない。
 歴史や数学を勉強し直そうって言う人はもっと少数派だろう。すごいな、英語。


 「声に出して読みたい日本語」の出版後すぐに「声に出して読みたい英語」の企画が持ち込まれたというエピソードからも英語という市場が如何においしいのかが読み取れる。すごいよ、英語。


 そんなおいしい英語市場に齋藤メソッドで斬り込んだこの一冊。
 身体からモードチェンジして英語をどんどん音読しようという試みで、説得力あるので読んでいるうちにその気になって来たところに、後半には音読用のテキストが付いていて、更にそのテキストを朗読したCD付きなので、即実践可能という作り。これ、音読してみた人多いと思う。だって私したもの。かなーりその気。


 ただ、私の通う英会話レッスンにその成果が反映されるかは甚だ疑問だ。
 と言うのも目下の私の悩みは、毎回レッスン開始時に交わされる形式美、「How are you?」「I'm good.」に続く「Why?」にどう答えるかということなのだ。
 私、どうしてgoodなんだ?日本語脳で考える。ポリアンナじゃないので、四六時中よかった探ししてる訳でもなく、今どうして自分が上機嫌とは言わないまでもそこそこの機嫌を保っているのか、日本語でもすっぱり答えられない。それを英語で!


 いつも一旦口ごもって、その後「昨日の『西遊記』が面白かったからだ」とかなんとか言ってお茶を濁す。レッスンが火曜なので、一度「西遊記」について話したら、イギリス人の講師が「Super Monkeyはイギリスでもやっていた。(多分堺正章のやつ)DVDも出ていてとても人気だ」とえらく食いついて来たので、とりあえず「西遊記」のことで繋ぐことが多い。余程の香取慎吾好きと思われている。*1今週も「慎吾にチョコは送ったのか?」と聞かれた。中居のが好きなのに。

 
 ここで思い至るのは、人を10分ひきつける話す力コメント力で読んだ「意味の含有率」
 コミュニケーションツールは持っていても伝えたいことがなければ、意味がない。英語の文法も語彙も発音も完璧だけど、話すことに内容がなければしょうがない。
 本書タイトルが「英語入門」になっているところが秀逸で、身体をモードチェンジすることが有益なのはほんの入り口だけで、これが「英会話」「英語でのコミュニケーション」になると、後は日本語だろうと英語だろうと関係なく、齋藤様のコミュニケーション論に集約されていくんだろう。


 もちろん入門地点の私には、大変為になる本でございます。
 来週は、身体を揺さぶって、ハミングで身体の内部を響かせて、丹田呼吸法で息を整えてから、レッスンに臨んでみようと思います。あと、スマと「西遊記」以外のネタも事前に仕込んで。
 

*1:因みに「香取慎吾がどんどん肥えていくのを心配している」と話したら「大丈夫!アメリカやヨーロッパにはもっと太った人間がたくさんいる。慎吾は太っていない。ただ、髪型はかなりterribleだね」と言われた。慎吾ファンの皆さん、心配は要らないそうですよ