江戸の頭脳に挑戦(8/11 OA)

 てっきり江戸の頭脳に挑戦する側(三宅裕司さん、渡辺満里奈さん等のような。)での登場だと思っていたので、なにかの都合で放映回が差し替えられたのかな、と思いながら、でも内容の面白さに引っ張られてそのまま見続けていたら、すっかり目的を忘れた頃に、案内人的立場で出てこられましたよ。


 江戸の言葉遊びを指南する寺子屋の先生役?で、格好もそれらしく和装(古今東西問わず服飾文化には疎いので、さらっと○○をお召しでした、とか説明が出来ないのがもどかしい。あ、でも袴姿だった)で、なかなかの男っぷり。せっかくなら、めがねも毎日香のさだ吉モデルにこだわってもよかったかも知れないけど、それじゃ男っぷりってより丁稚風ですかね。


 江戸文化の専門って訳でもないだろうし、こういう出方は「ある程度教養あって顔売れてる人」っぽい消費に繋がるような気がするんだけど、番組自体が面白かったので、たまにはこういうのもありかな、と。
 因みに齋藤さんが解説していたのは

此間に御ちさう被下(くだされ)
よほどたべよい
いろいろ御せはに成、
しつれいしごく
の御事ども何
ぶんよろしく
御とりなし可
被下候(くださるべくそうろう)以上。

の文に隠されたメッセージを解く!という江戸の洒落文化。
 曰く、不自然に改行された各行の頭を取り、

今宵しのぶ

というのが真のメッセージで、単なる礼状もしくは請願に見えたこの文、実は付け文だったのね、という一興。
 今で言う縦読みってやつですね。


 さらに魚偏の漢字の読みを五・七・五・七・七で覚える言葉遊びを紹介。

 念なまず
 豊ははもに
 慮はすずき
 堅(かたき)はかつお
 師はぶりと知れ

 出演者と共に音読した後、「リズム・テンポよく音読して声に出して覚えてしまうというのが、寺子屋のスタイル。江戸の洒落文化なんですね」という、ここ!ここ!
 江戸文化より、言葉遊びより、これこそが齋藤孝ならでは、渾身の一言だったんだけど、あっさり流れてはいましたね。残念ながら。


 そして「せっかくですから、ここからは齋藤さんも」でもなく、次のコーナーに移ると、寺子屋の先生コスプレの齋藤さんは密かに場を去り、出番終了。
 いつもなら、長いこと見たのに出番少ないとかぶつぶつ言うところだけど、番組自体が面白かったことと、江戸文化をテーマにした番組で、必要以上にしゃしゃり出ることのデメリットを考えると、このくらいの知的清々しさが程良いのかも。
 番組の内容も齋藤ウォッチャー的にも満足の(これらが両立してるのは、実はかなり稀だったりする)良番組。第二回目らしいけど、第三回目も見ると思う。齋藤起用には余りこだわらなく。


 ところで、今朝の「おはよう日本NHKのタイムテーブルを信用して7時半から見たんだけど、齋藤さんが出演したのは、首都圏だけだったのね。
 帰省先の私が見たのは、「この地方のニュースをお伝えします」でしたわよ。まさか「稲作の一工夫」のトピックに齋藤さんが「農業は腰と肚ですね」と出てくる訳などなく。
 残念でした。